おかのりゆきのぶろぐ

アウトプットを最大の学びと捉え,ヘルスケアの専門家として,研究者の端くれとして,情報を発信します

脳卒中サバイバーの生活支援を目指して

作業療法士の仕事をしていて,脳卒中サバイバーの生活支援に関わることが多いのですが,私自身,これまで地域の病院で仕事をして,その後,クリニックを併設した研究所での自由診療枠内での介入を進めてきたことで強く感じることがあります.

 

病院を退院した後が重要

私の経験として明確に言えることは,「Crossed Cerebellar Atrophy: CCA」という,一側の大脳半球病変によって対側の小脳半球が委縮する病態の関与です.この病態は,最速で発症3年2ヶ月後,7年以降にはより高頻度に出現するとされています.

 

羽生春夫, 新井久之勝沼英宇藤田龍一友利千之 (1991). 

脳血管障害に伴うcrossed cerebellar atrophy. Jpn J Geriat 28: 160-165

 

このCCAにより,何かしようとしたら手が揺れてしまう小脳失調(Cerebellar ataxia:以下,動画参照)が出現してくるため,生活動作の変更が強いられる訳ですが,脳損傷発症から8ヶ月経過したリハビリテーション病院からは確実に退院しています.

 

www.youtube.com

 

「在宅復帰できたか?」ということが病院の大切な指標となっていますが,このCCAの影響を病院スタッフは確認できませんので,対処することはできないでしょう.

 

在宅復帰後にも大きく体の状態も変わっていく

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訪問や外来などでの理学療法作業療法・言語療法などの介入を継続することが推奨されていると思いますが,セラピストが関与できる時間は24時間のうち限られています.そこで,時間に縛られず,脳卒中者の生活を支援できればと思い作ったのが,「2kaku-me・ニカクメ」というサイトです.

 

 

よろしければ,「2kaku-me・ニカクメ」のサイトをのぞいてみて下さいね.

 

www.nikakume.com

 

今日は簡単な紹介までで終わりとします.

最後までお読みいただき有難うございました!

筋肉をつけるために必要な負荷量

筋肉トレーニング


必ず強い負荷が必要なのか?


「筋肉をつける」と聞くと、

10 repetitive maximum (RM) で表されるような

10回繰り返すのがやっとな程の負荷量をかけてやる必要があると言われがちです.

 

つまり,筋肉をつけるためには,

絶対に歯を食いしばってやらないといけない!

と言うことでしょうか?

 

最近の研究をみていると,そうではありませんね!

 

Ogasawara R, et al. (2013)
Low-load bench press training to fatigue results in muscle hypertrophy similar to high-load bench press training. International journal of clinical medicine 4; 114-121. 

https://file.scirp.org/pdf/IJCM_2013022617114480.pdf

 

 

弱い負荷でも筋肉はつく!

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上記の図のように,Ogasawara, et al. (2013) の報告では,

“疲れるまで”やれば,弱い負荷でも強い負荷でも同じように筋肉が付く!

と言う報告がなされています.

 

長すぎる休憩を挟みながらではなく,

弱い負荷でも繰り返して筋活動の積み重ねることが大切で,

まさに「塵も積もれば山となる」と言う感じです.

 

今の日常生活の中で,

「疲れるなぁ」と感じることを避けずにもう一踏ん張りすることで, 

筋肉を衰えさせないための心得となるでしょう. 

 

すぐに取り組めることとしては,

エレベーターを避けて、階段を積極的に使うことがありますね.

 

私たちが日常生活を通じて,
筋力を維持・向上することができれば,
あえて時間をさいたトレーニングは不要になります.

 

これも時間の有効活用ですし,

作業療法の観点で言えば,

生活動作を通じた筋力トレーニングと言えるでしょう.

 

今日はここまで.

最後までお読みいただき有難うございました.

最近の興味は「睡眠」

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「機能」と言うのなら,「活動」だけ考えていては片手落ち.

「休息」があるから「活動」ができる.

 

以前,指導を頂いた先生に言われたことです.

 

脳活動の計測を行なってまとめていく時に,

「〇〇の活動が上がった」と言うように

活動することばかりに目をとらわれがちになってしまったんですね.

 

活動をやめて,休息に向かうときにどうなっていくか?

これも「休息」も「活動」と同等なんですよね.

 

考えてみればそうです.

 

仕事で考えてみても

睡眠時間が短ければ,日中のパフォーマンスって落ちますからね.

 

調べてみると,ちゃんと「活動・休息比」ってのがありました.

 

視点を広く持っていなければいけませんね.

 

と言うことで,最近の興味は「睡眠」になってきています.

 

ひとえに睡眠といっても,

人の行いの影響を,「個人因子」「環境因子」「課題因子」の

3つで考えると様々な視点がありますよ.

 

「個人因子」・・・身長,体重,睡眠時間

「環境因子」・・・寝具(枕,布団)

「課題因子」・・・寝る

 

 

睡眠に関する研究にも着手し始めていますので,

これらに関連した情報を少しずつ蓄積していきます.

 

では,最後までお読み頂き,

ありがとうございました.

枕で寝る姿勢を整える

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臨床をしていると,肩や腰が痛い・怠いという声を耳にするんですが,

すぐに訴えがある部位の介入に着手するのは効果的ではなくて,

インタビューが本当に大切なだなと思うことがあります.

 

というのは,状況を掘り下げて聞いていくと,

 

「朝起きた時が一番だるいです.日中は平気ですね」

「寝てる時は肩が痛くて,寝れないんです」

 

といった話に行き着くことがあるんですね.

 

であれば,日中の問題ではなくて,夜の問題.

寝ている時の姿勢を整えることの優先順位が高いですよね.

 

肩に枕を入れてポジショニングをすることも大切ですが,

その前に,私は,枕の高さを合わせます.

 

頸部と肩甲骨の間には多くの筋肉が繋がっているんだから,

頸部の状況を変える枕の高さ次第で,

肩周囲の筋の緊張状態は変わりうるからです.

 

そして,肩にタオルを入れたとしても,

寝返りをしてしまえば意味を持たないからです.

 

  

そんな時に出会った本が,

 

山田朱織 (2004) 「枕革命ひと晩で体が変わる」 講談社+α新書

 

著者である山田朱織先生は,

自分に合った枕の高さに調節する方法を,

医師として科学的に検証されておられます!

 

ご連絡を取らせていただいた際には,

多くの方に広めて下さいと快くおっしゃって下さいました. 

 

山田先生が開発された枕調整法は,

Set-up for Spinal Sleep (SSS法)です.

 

詳細に知りたい方は、書籍を一読されることをお勧めしますが, 

簡単にポイントをお伝えすると,

 

横向きに寝た時に,顔と身体の真ん中が一直線になるように

枕の高さを調節すること

 

Fig1.png

 

上図を見て頂いてわかるように,

枕の高さが自分に合っていないと,

上側,または下側の首の筋肉が伸ばされますよね.

 

頚部筋の筋緊張に「左右差」を生じさせやすい状況ですよね.

 

横向きに寝た時に,顔と身体の真ん中が一直線になるように調整すると,

頭から骨盤までが一直線になるので,

寝返りが,余分な力を使わなくてもできるようになります.

 

Fig2.png

 

そして、この枕の調整法で定めされた枕の高さは、

身長や体重が増えるほど、枕も高くなることも示されています(下図).

 

Fig3.png

 

自分に合った枕の高さは、身体のサイズと密接な関係があるんです!

 

こういったデータからも

改めて枕の高さの調整は

睡眠姿勢を整える上でも非常に有効だと思います.

 

今日も最後までお読み頂き

ありがとうございました!

 

脳を鍛えることは「省エネ化」

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歩いている時に「年齢」を聞いた時に,
立ち止まって答えるか?
それとも,歩きながら答えるか?によって, 
半年後に転倒する可能性を予測出来るという報告があります.
 
Lundin-Olsson L, Nyberg L, Gustafson Y.(1997)
Stops walking when talking" as a predictor of falls in elderly people.
Lancet.;349(9052):617.
 
 臨床をしているとその限りではない感じもしますので,
 
私が,この内容で注目したいのは, 
「1つの事にしか対応できない状態になっている」ということ!
 
 
言い換えると,
「歩く」ならば,歩くことだけに全力を注入しなくてはならない状態.
「話す」ならば,話すことだけに全力を注がなくてはならない状態.
 
 
なぜ、このような状態になるんですかね?
 
 
脳活動で考えみようと思うと,
まず,下図に示すように,
脳では,運動に関わる脳の場所と,
考え,話すことに関わる脳の場所が
別々の場所にあります.
 
 
Fig1.png
 
 
それぞれの脳の部位でのエネルギーの使い方の配分が
この状態を引き起こすヒントになるのではないかと思います.
 
一度に使える脳のエネルギーが「10」と仮定してみます.
 
歩きながら話ができる場合は,
運動に関わる脳の場所と,考え・話すことに関わる脳の場所が,
いずれも「5」あればエネルギーで能力を発揮できるでしょう.
 
 
Fig.3.png
 
 
 
しかし, 「8」のエネルギーを費やさないと
歩けない、考えたり、話したりできないとなれば,
下図のようなイメージになるでしょう。
 
 
 
Fig.2.png
 
 
 
 
一つのことが出来ない状況は,
必要なパフォーマンスを達成するために,
多くのエネルギーを使い過ぎて,
その他の脳の場所を上手く働かせられる
エネルギーの余裕がない.
 
ということが考えられるかなと思います.
 
 
同時に物事を進められるようになるということは,
さまざな脳の場所がいずれも少ないエネルギーで
フォマンスを発揮できるようになるということかと思います.
 
これにはやはり鍛錬が必要なのでしょうね.
 
私もブログを継続して,
文章を書くための脳の場所を省エネで使えるように
していきたいと思います!
 
それでは,ありがとうございました.

知ってる情報を共有する場として

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こんにちは,オカノリユキです. 

 

このブログに偶然到達した人も,狙ってきてくれた人も,

 

ありがとうございます.

 

 

 

これまでいくつか名前を伏せながらブログをしたりもしたけど

 

自分の中で情報を発信する位置付け,目的がはっきりしたのもあって

 

始めることにした,この「おかのりゆきのぶろぐ

 

 

 

私は,作業療法士というリハビリテーション医療に関わる専門知識をもとに

 

これまで,病院,大学の研究所所員,ベンチャー企業の研究員など

 

様々な場所で仕事をしながら色々な学びをさせてもらい,

 

現在は,目的をもって,改めて病院での仕事をスタートしています.

 

comedi.jp

 

 

このブログを通じて,日々の諸々の知見を,

 

アップするようにしてきたいと思うので

 

是非,今後ともよろしくお願いします!

 

 

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