枕で寝る姿勢を整える
臨床をしていると,肩や腰が痛い・怠いという声を耳にするんですが,
すぐに訴えがある部位の介入に着手するのは効果的ではなくて,
インタビューが本当に大切なだなと思うことがあります.
というのは,状況を掘り下げて聞いていくと,
「朝起きた時が一番だるいです.日中は平気ですね」
「寝てる時は肩が痛くて,寝れないんです」
といった話に行き着くことがあるんですね.
であれば,日中の問題ではなくて,夜の問題.
寝ている時の姿勢を整えることの優先順位が高いですよね.
肩に枕を入れてポジショニングをすることも大切ですが,
その前に,私は,枕の高さを合わせます.
頸部と肩甲骨の間には多くの筋肉が繋がっているんだから,
頸部の状況を変える枕の高さ次第で,
肩周囲の筋の緊張状態は変わりうるからです.
そして,肩にタオルを入れたとしても,
寝返りをしてしまえば意味を持たないからです.
そんな時に出会った本が,
山田朱織 (2004) 「枕革命ひと晩で体が変わる」 講談社+α新書
著者である山田朱織先生は,
自分に合った枕の高さに調節する方法を,
医師として科学的に検証されておられます!
ご連絡を取らせていただいた際には,
多くの方に広めて下さいと快くおっしゃって下さいました.
山田先生が開発された枕調整法は,
Set-up for Spinal Sleep (SSS法)です.
詳細に知りたい方は、書籍を一読されることをお勧めしますが,
簡単にポイントをお伝えすると,
横向きに寝た時に,顔と身体の真ん中が一直線になるように
枕の高さを調節すること
上図を見て頂いてわかるように,
枕の高さが自分に合っていないと,
上側,または下側の首の筋肉が伸ばされますよね.
頚部筋の筋緊張に「左右差」を生じさせやすい状況ですよね.
横向きに寝た時に,顔と身体の真ん中が一直線になるように調整すると,
頭から骨盤までが一直線になるので,
寝返りが,余分な力を使わなくてもできるようになります.
そして、この枕の調整法で定めされた枕の高さは、
身長や体重が増えるほど、枕も高くなることも示されています(下図).
自分に合った枕の高さは、身体のサイズと密接な関係があるんです!
こういったデータからも
改めて枕の高さの調整は
睡眠姿勢を整える上でも非常に有効だと思います.
今日も最後までお読み頂き
ありがとうございました!